オンライン・トークイベントを開催しました!【前編】

8月27日、NPO法人 地球守の代表を務める高田宏臣氏を講師に招いてのオンライントークイベントを開催しました。

 

東日本大震災により被災し荒廃した土地に、豊かさを取り戻すことを目的とした「平地のプロジェクト」。プロジェクトを進めていく上で欠かせないのが「NPO法人 地球守」の存在です。

代表を務める高田さんは、造園家であるとともに国内外での環境再生活動にも尽力されており、平地のプロジェクトでも再生計画の提案、講座開催、技術指導など様々な形で協力を依頼しています。

<伊豆山土砂災害の現場。高田さんのコラム記事より>
<伊豆山土砂災害の現場。高田さんのコラム記事より>

<伊豆山土砂災害の現場。高田さんのコラム記事より>

東北、広島、熊本など自然災害の被災地での活動経験も豊富な高田さんは、2021年7月3日に熱海で発生した伊豆山土砂災害の現場にも調査に入られています。

 

 

土砂災害の発生から2日後の7月5日には「緊急報告」としてコラムを公開。調査を通して見えてくることを現場の写真とともに詳細に報告し、「問題の本質はメガソーラー発電所の建設や残土埋め立てではなく、土中環境への視点を欠いた土木造作にある」と訴えています。

「緊急報告 熱海市伊豆山土石流~その発生プロセスから見えてくること」

 

「気づいたらカサカサに乾いた土地になっていた。これを次世代に残していくのか⁉」


<被災して間もない長塩谷地区>
<被災して間もない長塩谷地区>

今回のトークイベントは、ウィーアーワン北上代表・佐藤の切実な言葉から始まりました。

 

 

 

 

 

 

 

〈写真:震災直後の長塩谷地区〉

 

 

「震災前、川と人々の暮らしはもっと一体だった」と振り返るふるさと・北上町十三浜。震災後のある日、海沿いの道をいつものように車で走っていた時のこと。佐藤はふと、あることに気がつきました。車窓越しに目に飛び込んでくる十三浜の景色が、カサカサに乾いて荒れ果てている…。

瓦礫や崩壊した家々が撤去され、均されて“リセット”された集落跡地は確かに“きれい”にはなりました。でもそこに残ったのは、スコップも刺さらないほど硬く乾いた広大な空き地だったのです。

 

そのことに気がついた時、「『この地域を次世代につなぐ』を大義名分に、地域を少しでも良くしようという思いで仲間と走ってきた震災からの10年間。その先に見たかったものはこれなんだろうか」という気持ちが沸きあがりました。

 

震災から10年が経ち“復興完結”という空気が流れ始めている被災地で感じた「水や風が通う大地を一から作り直したい」という想い。そしてそれにはぜひ多くの方々に関わっていただきたいという佐藤の言葉と共に、今回のトークイベントの講師である高田さんにマイクが渡されました。

 

取り戻したい地域の姿とは?


そして伊豆山土砂災害の話を織り交ぜながら「被災した方々に1日も早く平穏な日々が戻ることをお祈りするとともに、今回は『平穏な日々って何なのか?』ということを考えます。」という。

 

高田さん曰く、「早く復旧・復興したい、昔のように戻りたい」とみんな願うけれど、現在の復旧・復興工事がそれを叶えられる形になっているかというと、そうではない。「元に戻したい」と心をひとつにしてやっているのに、全く違う形になってしまうのが現状で、けれど渦中にいるとわからない

 

「そこで今回は復旧・復興工事のあり方、そして『今ある中で私たちが未来のためにできることは何か』についてもこのプロジェクトと通して考えて欲しい」という言葉に続いて、現地調査から見えてきたことを話して下さりました。